英語表現
wake-up callのもう一つの意味とは?
モーニングコール(和製英語)を英語にすると、wake-up callになるのですが、wake-up callには、もう一つの意味があります。
Longmanの英英辞典では、以下のように定義されています。
an experience or event that shocks you and makes you realize that you must do something to change a situation:
(経験や出来事であり、ショックを与えたり、状況を変えないといけないと認識させるもの)
例)merriam-webster learner’s dictionaryより
*His diagnosis of cancer was a wake-up call to all of us about the dangers of smoking.
(彼の癌という診断は、我々に喫煙の危険性を認識させた)
wake-up callは、朝起こしてもらるという意味から、人生に対して目覚めさせる警告にも使われるというのが面白いですね。
ついでに、wakeを使った熟語を一つ紹介します。
■in the wake of ~
~に引き続いて
例)Longmanの英英辞典より
*Famine followed in the wake of the drought.
(干ばつの後には、飢餓が続いた)
英語に込められた気持ち(2)
日本人が意図した通りに伝わらないという英語があります。
例えば、以下の文はいかがでしょうか。
I expect you to work harder.
直訳すると、「私はあなたがより一生懸命働くことを期待しています」となるので、問題なさそうですが、ネイティブに聞いてみると、
You don’t work hard.
という意味だそうです。
つまり、働いていないからもっと一生懸命働かないと駄目だよ!という意味になってしまいます。
一生懸命働いて欲しいという気持ちで言ったつもりですが、これでは、聞いた方はがっかりしてしまいます。
harderという比較級を使っているので、これがいけないと思い、
I expect you to work hard.
と言っても、demand(要求)に聞こえるそうです。
こういう時は、
I know you can do a good job.
のような言い方で励ますのが良いようです。
参考のために、「英語に込められた気持ち(1)」の記事はこちらです。
https://www.facebook.com/english.studynet.jp/posts/446108558800642
時制の一致の例外に対する考察
時制の一致に従わない例外パターンには、以下の4つがあります。
*不変の真理、一般的事実
*現在も変らない内容
*歴史上の事実
*動詞が仮定法の場合
今回は、時制の一致の例外について注意点を述べます。
例文は、「英文法解説」(金子書房)から引用されてもらいます。
(1)時制の一致に従う場合 (wasを使う)
*Columbus proved that the earth was round.
(コロンブスは、地球が丸い事を証明した)
(2)時制の一致に従わない場合(isを使う)
*Columbus proved that the earth is round.
(コロンブスは、地球が丸い事を証明した)
一般的に、不変の真理を述べる場合は、時制の一致に従わないとされているので、(2)が使われるのが一般的です。
ネイティブに聞いても、(2)を使うそうです。
それでは、次はどうでしょう。
(3)時制の一致に従う場合(wasを使う)
*Columbus believed that the earth was round.
(コロンブスは、地球が丸いと信じていた)
(4)時制の一致に従わない場合(isを使う)
*Columbus believed that the earth is round.
(コロンブスは、地球が丸いと信じていた)
こちらも不変の真理なので、(4)を使うと思ってしまうのですが、ネイティブに聞いてみた所、(3)を使うそうです。
ここで疑問に思うのが、不変の真理なのに、時制の一致に従う場合と従わない場合があるのはなぜだろうかという点です。
これは、話者の視点の違いから来ています。
(2)を述べるとき、話者の視点は、the earth is roundという事実にあります。だから時制の一致に従わないのです。
(3)の場合は、話者の視点は、the earth is roundという事実ではなく、Columbus believedに視点があります。よって、時制の一致に従ってしまうのです。
この文法書には、(1),(2),(3),(4)のどのパターンでも話者に視点によって、どちらにもなるという説明がされていますが、ネイティブの聞いてみたところ、上記の結果になりました。
よって、時制の一致の例外パターンでも、話者の視点によっては、時制の一致に従ってしまう場合があることが分かります。
英文に触れていると、時制の一致とその例外パターンが気になってきます。
そんな時に、今回の情報は役に立つと思います。
「ドアに出る」時に使う動詞は?
ドアのノックに応じて出る場合は、answerという動詞を使います。
よって、「ドアに出てもらえますか?」と言いたい時は、
Could you answer the door?
となります。
「電話に出る」も answer the phone になります。
留守番電話をan answering machineと言ったりしますが、ここでもanswerが使われていますね。
電話をしたけど、返事が無かった場合は、There was no answer.と表現できます。
answerには、他にも「(行為や態度に)応じる、(願い、要求)かなう、(批判などに)反論する」などの意味があります。
例)研究社英和中辞典より
*My wishes were answered.
(私の望みはかなえられた)
英語に込められた気持ち
ネイティブに気持ちを聞かないと、本当の意味が分からない事がしばしばあります。
例えば、以下の文は、どいういう意味でしょう。
Are you going to the party or not?
直訳すると、「パーティへ行きますか、行かないですか?」という意味の簡単な英語ですが、この文のポイントは、or not です。
これを付けると、”今すぐ知りたい”という気持ちが入ります。
それでは、以下の文はどうでしょう。
Didn’t I ask you to do this research?
否定の疑問文ですね。
直訳すると、「この調査をするようにあなたに頼まなかったでしょうか?」という日本語になりますが、
これは、頼んだ、頼まなかったの次元ではなく、「何でこの調査をやらないんだ」という意味になります。
Why didn’t you do this research? という同じ意味になります。
頼んだかどうか忘れてしまって、確認したい場合は、以下のように肯定の疑問文を使います。
Did I ask you to do this research?
以前も、紹介したことがありますが、「どうぞお座りください」は、
Please have a seat.
と言えば丁寧な表現になりますが、
Please sit down.
と言ってしまうと、これから怒られるのかと思ってしまいます。
ネイティブに聞くと、serious situation(重大な状況)を連想するそうです。
日本語もそうですが、英語も奥が深いですね~。
みなさんの中で、もし、こういったネイティブの気持ちが入った英語を知っていたら、コメント欄で情報共有をお願いします。
thankful と grateful
どちらも感謝する気持ちを表す形容詞ですが、少しだけニュアンスが違うので、今回取り上げてみました。
まずは、Longmanの英英辞典を調べてみましょう。
[thankful]
grateful and glad about something that has happened, especially because without it the situation would be much worse
(感謝していて、何かが起きた事について喜んでいる。特に、その事が無かったらより悪い状況になっていただろうという理由から)
例)NAVER英語辞書より
*I’m so thankful that I work with you.
(あなたと一緒に働けて本当に感謝しています)
=>あなたと一緒に働いていなかったら、何かうまくいかなかったのでしょう。
[grateful]
feeling that you want to thank someone because of something kind that they have done, or showing this feeling
(誰かに感謝したいという感情、人がしてくれた親切な何かの為に。また、そういった感情を示すこと)
*I’m so grateful for all your help.
(あなたが手伝ってくれて感謝しています)
=>単純に感謝している状態。
以上をまとめると、thankfulは、自分の幸運だったことに関する感謝の気持ち(ありがたく思っている気持ち)、gratefulは、他人から受けた行為に対する感謝の気持ちを表現していることになります。
本Facebookページの練習ページである「StudyNet.jp:VOAで学ぶ英語」の練習1に以下のような文があります。
*As people get older, they become more thankful for what they have.
(歳をとると、自分が持っているものに対して、よりありがたいという気持ちを持つようになる)
https://www.facebook.com/voa.english.studynet.jp/posts/127839674077255
ここでも上記説明のthankfulの考えを考慮すると、自分が持っているものに対して、あって良かったという気持ちがあるのでしょう。
ちなみに、gratefulの派生語であるgratuityは、チップの意味です。
アメリカのレストランなどで会計時にチップの金額を自分で書くのですが、その欄には、gratuityという名前が付いています。
これも、サービスを受けた事に対する感謝というふうに考えることができますね。
gratefulの名詞形は、gratitude(感謝)です。これも一緒に覚えておきましょう。
反対語で英語学習
今回は反対語で英語の勉強をしましょう。
問題:以下の単語の反対語を考えてみてください。
1. even 偶数の
2. famous 有名な
3. fine きめ細かい
4. correct 正しい
5. deep 深い
6. foreign 外国の
7. fat 太った
8. voluntary 自発的な
9. expensive
10. drunk 酔った
———————————————–
答え:
1. odd 奇数の
=>他にも、「変な、風変わりな(=strange)」 という意味がある。
2. notorious, infamous 悪名高い
3. coarse(生地、肌など) 粗い
=>他にも、「(食物)粗末な、(態度)下品な」などの意味がある。
4. wrong 間違った
=>他にも、「(道徳的に)悪い、不適切な、逆の」などの意味がある。
5. shallow 浅い
=>例)a shallow river 浅い川
6. domestic 国内の
=>他にも「家庭の、飼いならされた」という意味がある。
例)domestic animals 家畜
7. thin,lean 痩せた
=>thinは痩せたという意味の一般的な言葉(not fat)。leanは、thin in a healthy(健康的に痩せた)という意味。
8. compulsory (法、命令)強制的な
=>例)compulsory education 義務教育
9.inexpensive, cheap 安い
=>cheapには安っぽいというイメージがある。inexpensiveには、安っぽいというイメージはない。
10.sober しらふの
=>他にも「(人)冷静な、(色)地味な」などの意味がある。
hireとemployの違い
どちらも日本語にすると、「雇う」という意味ですが、hireには短期性があります。
Longmanの英英辞典に明確に定義されています。
[hire]
to employ someone for a short time to do a particular job
(特定の仕事をするために、短期間人を雇う)
例)Longmanの英英辞典より
*Employers hire skilled people on fixed-term contracts.
(雇い主は能力のある人を固定期間の契約で雇った)
hireは、ベビーシッター(a baby-sitter)、庭師(a gardener)、ガイド(a guide)、コンサルタント(a consultant)などを、一時的に雇う時に使えます。
一方、employの方は、一時的、短期間の意味はなく、Longmanの英英辞典では、以下のように定義しています。
[employ]Longmanの英英辞典の定義
to pay someone to work for you
(あなたのために働く人に賃金を払う)
この定義は少し分かりにくいですが、継続的に雇う場合には、employを使います。
例)
*How many people does the company employ?
(その会社は何人の従業員を雇っていますか)
雇用主は、employer、従業員は、employee(最後の-eeにアクセントがあります)なので、一緒に覚えておきましょう。
■「雇う」以外の意味
hireは、イギリス英語で、「借りる」(アメリカ英語では、rent)という意味があります。
*hire a car(車を借りる)(=rent a car)
ジーニアスの英和辞典の語法説明を引用させていただくと
「(英)では衣類・ボートなどを借りるのはhire、車はrentかhire、家はrent、(米)ではこれらすべてにrentを用いる」と記載されています。
アメリカ英語の方はrentで統一されていますね。
イギリス英語は複雑です。
ちなみに、タクシーの事を、ハイヤーと日本語で言ったりしますが、これは、hireから来ているようですね。
タクシーも運転手つきで一時的に車を借りているようなものなので、ハイヤーになるのですね(ただし和製英語です)。
米英には日本のハイヤーのような制度は無いそうです。
employの方も、「雇う」以外にも、「(物、方法、技能などを)使う」という意味があります。
if anything とは?
これは、意味を予測しにくい表現なので、Lognmanの英英辞典で定義を理解しておきましょう。
[if anything] spoken used when you are adding something to emphasize what you have just said
(口語:あなたが言った事を強調するために何かを付け加えるときに使う)
日本語にすると、「どちらかと言うと、いずれにしても、むしろ」などの訳語が割り当てられていますが、Longmanの英英辞典の定義のほうが分かりやすいですね。
例)Longmanの英英辞典より。
*Sam didn’t seem too disappointed at losing. If anything, he seemed relieved that it was all over.
(サムは、敗北で失望しているようには見えなかった。どちらかというと、彼は、それが終わってほっとしているようだった)
例文には、先日説明したseemが入っていますね。
seemは、話者の主観が入って、そのように「見える、思える」という意味になります。
anything を使った表現で重要なのがanything butです。
以前にもこの表現を紹介しましたが、復習の為に違う例文を紹介しておきます。
■anything but
意味は似ていますが、2種類あります。
1.~の他ならなんでも(butは、前置詞で「~の他に、~を除いた」という意味があります)
2.決して~でない
例)
*I will eat anything but cheese.
(チーズ以外なら何でも食べます)
*He is anything but a gentleman.
(彼は決して紳士的ではない)
seem と appear の違い
日本語にすると「見える、思える」という意味になりますが、微妙な違いがあるので、今回取り上げてみました。
まずは、いつもの通りLongmanの英英辞典で、定義の違いを見てみましょう。
■seem: to appear to exist or be true, or to have a particular quality
(存在していたり、真実であるように見える、または、特定の質があるように見える)
=>日本語にすると「見える、思われる」になります。
seemは、話し手の主観・判断が入って、「見える、思える」という意味になります。
例)ジーニアス英和辞典より
*He seems (to be ) quite happy with the conditions of the contract.
(彼は、契約条件にすっかり満足しているようだ)
■appear: used to say how something seems, especially from what you know about it or from what you can see
(何かがどのように見えるかを言う時に使う、特に、あなたがそれについて知っていたり、あなたが見ているものから)
=>こちらも日本語にすると「見える」ですね。
appearは、客観的事実について述べています。つまり外観がそのように見えるということをいう時に使います。また、appearのほうがseemよりもformalな表現になります。
例)Longmanの英英辞典より
*This appears to be a good solution.
(これは、良い解決に思える)
■appearの「見える」以外の意味
appearには、「(突然)出現する」、「(TVなど)出演する」、「(著書など)世に出る」などの意味があります。
seemもappearも、いろいろと奥が深いので、別の機会にまた説明したいと思います。