-12月-2012の記事

あいまいなbecause

解釈の仕方によって意味が2通り存在する英語があります。
becauseもその一つでしょう。

以下の文を読んでみましょう。

He didn’t come home because it was snowing.

■解釈

この文を頭から直訳してみます。

(A)「彼は、家に帰ってこなかった、何故なら雪だったから」

つまり、「彼は家に帰ってこなかった」ことになります。

ところが、この文が、「彼が家に帰ってきた」と解釈できる場合があるのです。

日本語訳は、次の通りです。

(B)「彼が帰ってきたのは、雪だったからではありません(他に理由があった)」

(A)の場合は、not が come を否定していますが、(B)の場合は、notが、because以下を否定しています。

ややこしいですね。ただし、会話の中では、彼が帰って来たのか、帰って来なかったのかが話の流れで分かるのはずなので、どちらの意味なのか判断することができるでしょう。

ただし、(B)の意味は、日本人には分かりにくいです。

■意味を明確にする方法

必ず(A)の意味にする方法はあります。

それは、最初にBecauseを持ってくるのです。

Because it was snowing, he didn’t come home.

頭から直訳すると、
「雪が降っていたので、彼は家に帰ってこなかった」

この場合、not はcomeにしかかからないので、あいまいさが無くなります。

(B)の意味を出したかったら次のように表現します。

He did come home not because it it was snowing.
(He came home not because it was snowing.)

とすれば、notが、becauseにかかるので、

「彼は家に帰ってきた、雪が降っていたからではないけど」

となります。

■辞書の説明
because の定義を辞書で調べると、否定語を伴って「~だからと言って(~ではない)」という説明項目があります。上記(B)がこの定義に相当します。


willを名詞で使うと?

will は、助動詞(auxiliary verb)と名詞(noun)の用法があります。

今回は、名詞の使い方について纏めてみます。

名詞のwillには、大きく分けて5つの意味があります。

———————————
1.意志
2.[法律]遺言
3.願望・望み
4.決意
5.(他人に対する)態度
——————————–

それぞれ、例文を見ていきましょう。

1.have a strong will
強い意志がある(弱い意志は、a weak will)

2.make a will 遺言状を作成する

3.the divine will、God’s will 神意

4.She never lost the will to live.
彼女は生きていくという望みを失わなかった。
=>will to do(doには、live, fight, succeedなどが入る)

5.good will 善意、ill will 悪意(敵意)
=>goodwill 「善意」という単語もある
(international goodwill 国際親善)

これら、5つの意味を個別に覚えるのは大変なので、個人的には、「will」=「意志」と覚えておいて、あとは、創造力を働かせればいいと思っています。ただし、一度は、使い方を理解しておく必要があるので、今回の例文が役に立つでしょう。

最後に名詞のwill を使った熟語を一つ紹介しておきます。

■against one’s will 自分の意志に反して

*He made his subordinates work against their will.
彼は、部下を意に反して働かせた。

用語:
・subordinate 従属者、部下

■今回の重要語
will, against one’s will, subordinate


weakとstrong

単語はセットで覚えると記憶の効率が上がります。
今回は、weakとstrongについて纏めてみます。

形容詞:
weak(弱い)<=>strong(強い)

動詞:
weaken(弱くする、弱まる)<=>strengthen(強くする、強まる)

名詞:
weakness(弱いこと)<=>strength(強さ)

例)
形容詞:
*weak point 弱点
*weak tea 薄いお茶
*a strong wind 強い風
*strong coffee

動詞:
*The prime minister’s position has weakened.
首相の地位は弱まった。

*The company hopes to strengthen its ties with the local community.
会社は、地域社会との関係を強化することを望んでいる。

名詞:
*She has a weakness for wine.
彼女は酒に弱い。

*He has a strength to lift the heavy box.
彼にはその重い箱を持ち上げる力がある。

■今回の重要語
weak,strong,weaken,strengthen,weakness,strength


consent (コンセント)とは?

電源のコンセントを思い浮かべる人もいると思いますが、英語のconsent には、そういう意味がありません(和製英語)。
電源コンセントは、outletと言います。

それでは、consentはどういう意味になるのでしょう。

consent(動詞)は、「同意する、承諾する」、consent(名詞)は、「同意、承諾、意見の一致」という意味になります。

例)
*written consent 同意書
*obtain my father’s consent 父の同意を得る

用語:
・obtain 得る

ついでに、outletの方も見ておきましょう。
outletには、「液体・気体」の出口、(感情の)出口、市場、小売店、アウトレット、(電源)コンセント」
という意味があります。

例)
*sewage outlet 下水の排水口
用語:
・sewage:下水

*plug into an outlet 電源プラグを差し込む

*a ready-made outlet 既製服専門店
用語:
・ready-made 既製品の(<=> made-to-order オーダーメイドの)

和製英語には意外な落とし穴があるので、注意しないといけないですね。

■今回の重要語
consent, obtain, outlet, sewage, plug into, ready-made, made-to-order


will と be going to について

will と be going to は、未来を示すための表現ですが、若干使い方が違う場合があります。

辞書を見ると、説明が沢山ありすぎて使い分けが難しく感じられてしまいます(実際、難しいです)。

そこで、今回は、思い切って話を単純化してみます。
主語は一人称に限定しておきます。

will は、現在の時点の意志、be going to は、あらかじめ決まっていた(考えていた)未来を示します。

この原則を元にして考えると、Would you like something to drink?(飲み物はいかがですか)と聞かれた時に、あらかじめ決まっていたことを表現するbe going to が使えないのが分かります。

この場合は、現在の意志を示すwillを使うのが適しています。
I’ll have coffee, please.(コーヒーをお願いします) とwillを使います。もちろん、Coffee, please.でもOKです。

強い意志を示す場合は、I will ~と表現し、短縮形のI’llは使いません。今の例は、will を強調する必要がないので、I’ll と短縮形を使っています。

be going to は、あらかじめ決まっていた事に使いますが、willでも交換可能な場合が多いでしょう。going という、何かの状態に向かっているというイメージからいろいろな訳語が生まれます。

例)I ‘m going to call him. 彼に電話するつもりです。

be going to と will の違いは、調べれば調べるほど難しく、明確に区別は出来ないという意見の専門家もいます。

そこで、willとbe going to の違いは、あまり深入りせずに、現段階では、上記の知識だけ頭の隅に入れておく程度にしておきます。

あとは、いろんな場面でwillとbe going toに出会った時に、少しだけ立ち止まって考える癖をつけるのもよい勉強方法だと思います。

今回は、「意志未来」で一人称というカテゴリーで説明をしてみましたが、「単純未来」というカテゴリーもあります。

(参考)単純未来の例
It will rain tomorrow. 明日は、雨になるでしょう。
It is going to snow. 雪になるでしょう。

時制のネタは、一度にすべてを理解するのが難しいので(説明も難しいので)、少しずつ焦点を絞りながらこれからも紹介していきます。


complex とは?

日本語の「コンプレックス」と同じ意味もありますが、complexには、形容詞と名詞の2つの用法があります。

■complex 形容詞
「複雑な(complicated)」という意味になります。反意語は、simple「単純な」です。

例)
*a complex problem 複雑な問題
*a complex structure 複雑な構造

■complex 名詞
2つの意味があります。
(1)複合体、総合ビル、(2)コンプレックス、過度の嫌悪

例1)
*a cinema complex 複合映画館
*a housing complex 団地
*a industrial complex 工業団地

例2)
*an inferiority complex 劣等感
*an superiority complex 優越感

用語:
・inferiority 劣等
・superiority 優越

complex は、よく使われる単語なので、形容詞と名詞の意味を覚えておきましょう。

■今回の重要語
complex, complicated, inferiority, superiority


You are asking for it. とは?

ask for は、「求める、要求する」という意味なので、直訳すると、「あなたがそれを求めている」になります。

it は、何か悪い事(トラブルなど)を指しており、「あなたの行動がトラブルを要求している(トラブルを招いている)」、つまり、「自業自得だね」という意味になります。

テストの勉強を全くしないでテストの点数が悪かったことに悩んでいたり、昨日飲みすぎて二日酔いに悩まされている人に対して、You are asking for it. という事ができます。

次に、ask for の例文も紹介します。

例)
I am writing this letter to ask for your help.
私は、あなたの助けを求めるためにこの手紙を書いています。

ask for は、help, advice, payment, time, money などと組み合わせて、「求める、要求する」という意味として使う事ができます。

ask forで例文検索をしたら、以下のようなページが見つかりました。これは、支払要求(ask for payment)をする手紙のサンプルを紹介するページでした。

*Sample asking for payment letter
(支払を要求する手紙のサンプル)
http://sampleletters.hubpages.com/hub/Sample-asking-for-payment-letter

最後に、ask を使った口語表現を一つ紹介します。

■if you ask me (口語)
(直訳)もし、あなたが尋ねるのなら、つまり「私の意見では」
これは、意見を強調する時に使います(emphasize your own opinion・・・用語:emphasize :強調する)

例)
If you ask me, video games are a complete waste of time.
私の考えを言わせてもらえれば、テレビゲームは全く時間の無駄である。

if you ask me を文頭にもってくると、少し大胆な印象を受けるようです。大胆さを無くすためには、if you ask me を 文の最後にもってきます。

Video games are a complete waste of time, if you ask me.

■今回の重要語
You are asking for it, ask for, emphasize, if you ask me


寒さの表現(freezing など)

「今日は寒い」は、It’s cold today. ですが、凍るような寒さだったら、coldでは、物足りないですね。

そこで、今回は、寒さをテーマにして、いくつか表現を紹介します。

寒さの単語:
・cold 寒い
・bitter cold 厳しい寒さ
(bitterは、「苦い、苦痛な、(寒さが)厳しい」)
・biting cold 身を切るような寒さ
(bite は「(歯で)噛む、(寒さが)しみる)」という動詞)
・frigid <正式(formal)> 極寒の
・freezing 凍るような
・chilly ひんやりとした(coldほどは寒くない場合)
(chill は、「冷やす」という動詞)
・crisp 寒くて乾燥している、身のひきしまる、さわやかな

補足:crispは、食べ物が「カリカリ」しているという意味が元の意味。crisp には、dry and cold(Longmanの定義)の意味があるので、そこから「さわやか」という訳語が生まれています

例)
*It’s bitter cold. 身を切るような寒さだ
*It is biting cold. 身を切るような寒さだ
*I’m freezing to death. 寒くて凍え死にそうだ
*It is freezing cold. 凍るような寒さだ
*I am chilled to the bone.骨のずいまで冷えている

*I am chilled to the bone. 骨の髄まで凍りついている
*I am frozen to the bone. 骨の髄まで凍りついている
*I am chilled to the marrow. 骨の髄まで凍りついている
(marrowは、「骨髄」)

*a chilly wind ひんやりした風
*crisp air 澄んだ空気
*The air was fresh and crisp.(Longmanより)空気は新鮮でさわやかだ

*below the freezing point 氷点下
*a biting wind 身を切るような寒さ

*frigid zone 寒帯


wait on とは?

waitは、「待つ」という意味で覚えている方も多いと思いますが、以下の文はどうでしょうか?

状況:お店で店員さんがお客様に声をかけます。
Have you been waited on?

この意味は、「ご用件を伺っていますか」になります。

wait on は、「(人に)給仕する、仕える、(客に)応対する」という意味になります。

お客様から見ると、応対してもらっている立場なので、受身になっています。

例) Tanaka Corpusより
I couldn’t find a clerk to wait on me.
私に応対してくれる店員が見当たらなかった。

用語:
・clerk (主に米国) (小売店の)店員 (英国では、 shop assistant)
(clerkには、銀行・会社などの事務員や官庁の事務官という意味もあります)

例)Tanaka Corpusより
The old woman has no one to wait on her.
その老婦人には世話をする人が一人もいない

例)Merrian-Webster Learner’s Dictionaryより
He is busy waiting on customers at the moment.
彼は、現在接客中のため手が離せません。

用語:
・at the moment 今(ちょうど)

「wait = 待つ」と考えていた方にとっては、waitの意味が少し広がったと思います。wait と前置詞・副詞の組み合わせは、まだまだ沢山あるので、また別の機会に紹介していきます。

■今回の重要語
wait on, clerk, at the moment


未来の過去形?

be going to は、近い未来を表現するときに使い、「~することになっている」「~しそう」という意味になります。

それでは、be 動詞を過去形にしたら、どうなるでしょう?

例文:I was going to call her.

これは、過去形なので、過去の時点では、未来の事だったと解釈できます。つまり、「~するつもりだった」という事を表現する時に使います。

訳は、「彼女に電話しようと思っていた(実際にはしていなかった)」

例)
*I was going to ask the same question.
(同じ質問をするつもりだった)

関連表現:

*I’m going to the U.S next week on a business trip.
(来週、出張でアメリカに行く予定です)

ネイティブは、口語で、going to を gonna と発音します。
海外の映画やドラマなどを見る機会があったら、注意してみてください。

例)
* I’m gonna go to New York next week.
(来週ニューヨークに行きます)

時制は、いろいろなバリエーションがあって、分かりにく部分もあると思うので、少しずつ取り上げていきます。

■今回の重要語
be going to


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