あいまいなbecause

解釈の仕方によって意味が2通り存在する英語があります。
becauseもその一つでしょう。

以下の文を読んでみましょう。

He didn’t come home because it was snowing.

■解釈

この文を頭から直訳してみます。

(A)「彼は、家に帰ってこなかった、何故なら雪だったから」

つまり、「彼は家に帰ってこなかった」ことになります。

ところが、この文が、「彼が家に帰ってきた」と解釈できる場合があるのです。

日本語訳は、次の通りです。

(B)「彼が帰ってきたのは、雪だったからではありません(他に理由があった)」

(A)の場合は、not が come を否定していますが、(B)の場合は、notが、because以下を否定しています。

ややこしいですね。ただし、会話の中では、彼が帰って来たのか、帰って来なかったのかが話の流れで分かるのはずなので、どちらの意味なのか判断することができるでしょう。

ただし、(B)の意味は、日本人には分かりにくいです。

■意味を明確にする方法

必ず(A)の意味にする方法はあります。

それは、最初にBecauseを持ってくるのです。

Because it was snowing, he didn’t come home.

頭から直訳すると、
「雪が降っていたので、彼は家に帰ってこなかった」

この場合、not はcomeにしかかからないので、あいまいさが無くなります。

(B)の意味を出したかったら次のように表現します。

He did come home not because it it was snowing.
(He came home not because it was snowing.)

とすれば、notが、becauseにかかるので、

「彼は家に帰ってきた、雪が降っていたからではないけど」

となります。

■辞書の説明
because の定義を辞書で調べると、否定語を伴って「~だからと言って(~ではない)」という説明項目があります。上記(B)がこの定義に相当します。