-7月-2013の記事
sarcasticとironic
この2つは英語を学習する人にとってはとても紛らわしい単語です。
ネイティブの先生が、他の日本人の生徒からこの2つの単語の違いを質問されたのですが、うまく違いが伝わらず、逆にネイティブから、どうやって説明しますか?と質問を受けています。
日本語の辞書では、どちらも似たような訳語で説明されており、違いが分かりにくいです。
・sarcastic 皮肉な、いやみな
・ironic 皮肉な
そこで、いつもの通りLongmanの英英辞典で調べてみます。
■sarcastic
saying things that are the opposite of what you mean, in order to make an unkind joke or to show that you are annoyed
(意図する事と反対の事を言う、冷酷な冗談を言ったり、困った事を示すために)
■ironic
・an ironic situation is one that is unusual or amusing because something strange happens or the opposite of what is expected happens or is true:
(ironicな状況とは、異常な状況、奇妙な事が起こったり期待していた事と反対の事が起こって面白い状況、本当の状況である)
・using words that are the opposite of what you really mean, often in a joking way:
(意図している事と反対の言葉を使い、しばしば、ジョークとして使う)
この定義から、sarcasticは、皮肉な事やいやみな事を言う事を指し、人の心を傷つけたり、いやな気持ちにさせたりします。
一方、ironicは、皮肉な状況になってしまったという状況に焦点が置かれています。ironicの2番目の意味も、ユーモアが伴う場合があるという事が書かれているので、sarcasticとは話す意図が違うことが分かります。
もう一つ辞書を使って、さらに確認します。
今回は、Merrian-WebsterのLearner’s Dictionaryを使います。
■sarcastic
using or showing sarcasm
(sarcasmを使ったり、示す)
そこで、sarcasmの意味を調べます。
[sarcasm]the use of words that mean the opposite of what you really want to say especially in order to insult someone, to show irritation, or to be funny
(あなたが本当に言いたい事の反対の事を意味する言葉を使う、特に、侮辱したり、苛立ちを示したり、面白くさせるために)
■ironic
・using words that mean the opposite of what you really think especially in order to be funny
(あなたが本当に思っている事と反対の事を意味する言葉を使う事、特に面白くさせるために)
・strange or funny because something (such as a situation) is different from what you expected
(奇妙で面白い、なぜなら、そのような状況が期待するものと違うので)
やはり、sarcasticには、いやみな成分が入っていることが分かります。
例)Merrian-WebsterのLearner’s Dictionaryより
It is ironic that the robber’s car crashed into a police station.
(強盗が警察署に追突するのは皮肉な事です)
=>これは、皮肉な状況の説明ですね。
sarcasticの名詞形であるsarcasmの説明で、分かりやすいものがThe Free Dictionaryにありました。
sarcasm: A cutting, often ironic remark intended to wound.
(しんらつな、しばしば皮肉った(ironic)意見で、人の感情を傷つける意図がある)
sarcasticとironic(名詞形は、sarcasmとirony)は、奥が深い言葉ですが、なんとなく意味の違いが分かったのではないかと思います。
盲腸と付録
本や論文の最後の方に付録が付いている場合があります。
付録は、appendixと書きますが、盲腸もappendixです。
人の解剖図(anatomical chart)を見ると、盲腸が大腸(the large intestine)の付録のように付いていることが分かります。
補足:
・anatomy 解剖学
・intestine [解剖]腸
appendixをロングマンの英英辞典で調べると、以下のように定義されています。
・a small organ near your bowel, which has little or no use
(腸の近くにある小さな臓器で、ほとんど使われていない)
・a part at the end of a book containing additional information
(本の最後の部分で、付加的な情報を含んだもの)
用語:
・bowel [医学]腸の一部、内臓、腸全体
・appendixの複数形は、appendicesです。
ここまで説明すると、append(付加する)という動詞がありそうだという予想がつきます。
・append (formal)付け加える、添付する
例)Longmanの英英辞典より
*The results of the client survey are appended to this document.
(顧客調査の結果は、この書類に添付されています(付加されています))
アルミホイルのホイル(foil)とは?
アルミホイルは、和製英語ですが、和製英語も単語の暗記に役立てることができます。
foilは、「金属の薄片」という意味ですが、ニュースなどでは、「(企てなどを)失敗させる」という意味で使います。
悪い企てを阻止するような時に使えます。
企てを、(アルミ)ホイルでカバーしてしまって、阻止するようなイメージで覚えておくといいでしょう。
例)VOAニュースより
Indonesian Police Foil Attempted Train Hijack
(インドネシアの警察は、電車ハイジャックを阻止)
http://blogs.voanews.com/breaking-news/2011/08/27/indonesian-police-foil-attempted-train-hijack/
本文を読むと分かるのですが、ハイジャックしようとした人を逮捕したと書いてあるので、foilは、「(ハイジャックの企てを)失敗させる」という意味になります。
アルミホイルは、aluminum foil、または、tin foilと言います。
tinは、「(金属)スズ」の事なので、tin foilは「スズ箔」という意味ですが、アルミホイルの意味でも使います。
元々は、tin foilだったのですが、20世紀にaluminum foilに変ったそうです(wikiより)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Tin_foil
http://en.wikipedia.org/wiki/Aluminium_foil
wayを使った表現
way(道、方法)という単語を使った表現は沢山ありますが、今日はその一部を紹介します。
■under way 進行中で
現在進んでいる道の途中にいるイメージ。
例)
The project is under way.
(そのプロジェクトは進行中です)
主語には、conference(会議)、negotiation(交渉)、
preparation(準備)、investigation(調査)、
plan(計画)などを使うことができます。
補足
・negotiationは、通例複数形を使うので、negotiationsになります。
■all the way はるばる、ずっと
道をずーっと進んできたようなイメージ
例)
*He came all the way from Tokyo.
(彼は、はるばる東京からやっていた)
■in no way 決して~でない(~でないということを強調する時に使います)
例)VOAニュースのTerms of Use and Privacy Noticeのページより
Links to commercial sites are in no way an endorsement of any vendor’s products or services.
(商用サイトへのリンクは、決して売り主の商品やサービスを推奨しているという意味ではありません)
http://www.voanews.com/info/terms_of_use_privacy_policy/1363.html
用語:
・endorsement (主に米)(商品の)推奨
・vendor 売り主 (<=>vendee (買主、買い手))
その他、有名な熟語としては、by the way(ところで)、lose one’s way(道に迷う)、on one’s way home(帰り道に)などがあります。
似たような単語クイズ
英単語には、綴りや発音が似ていて紛らわしいものがあります。
そんな単語の一部を集めてみました。
以下の(A) ~(E)のグループの単語の意味を言ってみましょう。
(A)glove, globe, grove
(B)glow, grow
(C)wander, wonder
(D)pause, pose
(E)steer, stir
—————————–
答え
(A)glove(手袋), globe(地球、球体), grove(小さい森)
=>日本語にもなっているグローバルな(世界的な)は、globalになります。
例)global economy (世界経済)
(B)glow(白熱光、白熱する), grow(成長する)
=>蛍光灯に付いている小さな電球(グローランプ)は、glow lampですね。
(C)wander(さまよう), wonder(不思議に思う)
=>「不思議の国のアリス」の不思議の国は、wonderland になります。
Alice’s Adventures in Wonderland(Lewis Carroll)
=>a nine days’ wonder:噂になってもすぐに忘れれれてしまう事・人「人の噂も七十五日」
(D)pause(中止、休止、ちょっと休止する)、pose(姿勢、ポーズ、ポーズをとる)
(E)steer(かじをとる), stir(かき混ぜる)
=>自動車のハンドルは、steering wheel
think better of とは?
これは、「考え直してやめる」という意味になります。
「より良いことを考える」=>「考え直す」と連想すると覚えやすいでしょう。
Longmanの定義は、以下の通りです。
to not do something that you had planned to do, because you realize that it is not a good idea
(計画していたことをしない、なぜなら、それは良い考えではないことが分かったから)
例)Longmanの英英辞典より
*He started to say something, then thought better of it.
(彼は、何かを言い始めたが、思い直してやめた)
ついでに、think nothing of (= think little of)という表現も纏めておきます。
Longmanの英英辞典より
to think that a particular activity is normal or easy, even though other people think it is unusual or difficult
(特定の活動が普通で簡単であると考える、他の人が普通でないと考えたり、難しいと考えたとしても)
例)Longmanの英英辞典より
*He thinks nothing of staying up all night in casinos.
(彼は、カジノで徹夜することをなんとも思わない(平気でいる)
用語:
・stay up all night (徹夜をする)(=sit up all night)
徹夜でなく、夜遅くまで起きている事を表現したい時は、stay up late (=sit up late) を使います。
buy a pig in a poke とは?
pokeは、「袋」という意味です。
豚肉のポークは、porkなので、注意しましょう。
buy a pig in a poke の直訳は、「袋の中に入った豚を買う」になります。
これは、袋の中を見ないで豚を買う状態を示しています。
袋の中には売り物になるくらいの豚が入っていると思い込んで買ってしまう(もしかしたら豚ではない可能性もあります)ことから、
「よく品物を見ないで買う」という意味になります。
衝動買いなどがこれに相当しますね。
例)
*Don’t buy a pig in a poke.
(品物をよく確かめないで買ってはいけません)
主に米国では、pigは子豚を指し、成長した豚はhogと言います。
英国では、豚を一般的にpigと言い、食肉用に去勢した
雄豚をhogと言うそうです。
米・英の違いは、複雑です。
それから、文語ですが、swineも豚を意味します。
豚の鳴き声は、oinkですね。
persistent cough とは?
persistentは、「しつこい、がんこな」という意味です。
Longmanの英英辞典の定義:
continuing to exist or happen, especially for longer than is usual or desirable
(存在や起こる事が継続していて、特に、いつもより、または、望ましいものよりも長いく継続)
風邪をひくと、咳がしつこく続く事はありませんか。
そんな時には、
*I have a persistent cough.
(咳がしくこく続いています)
と言う事ができます。
■痰(タン)
咳と痰は、風邪にはつきものですが、痰はなかなか言えませんね。
ちょっと調べてみたら、phlegm [発音は、flem]と言うそうです。
そこで、「咳と痰が出ます」は、
*I have a cough and phlegm.
という表現になります。
沢山、痰がでる場合は
*I have a lot of phlegm.
になります。
咳は、可算名詞、phlegmは、不可算名詞であることも覚えておきましょう。
最後に、空咳は、
*I have a dry cough.
です。
ハイフンで繋ぐ動詞
baby-sit は、「ベビーシッターをする」という動詞になります。
このようにハイフンで名詞や動詞を繋げて動詞として用いるものが沢山あります。
今回は、その一部を紹介します。
*baby-sit ベビーシッターをする
*window-shop ウィンドウショッピングする
*ice-skate アイススケートをする
*water-ski 水上スキーをする
*hitch-hike ヒッチハイクする
*short-change おつりをごまかす
*mass-produce 大量生産する
*ad-lib アドリブで言う・演奏する
*ill-treat 虐待する
*deep-fry フライにする
*sight-read (楽譜を)初見で演奏する
*dry-clean (~を)ドライクリーニングする
*proof-read (文章を)校正する
例)
*mass-produce bicycles 自転車を大量生産する
*I’m afraid I’ve been short-changed. (NAVER英語辞書より)
(すみませんが、お釣りが足りないのですが)
*I went window-shopping with him yesterday.
(昨日彼とウィンドウショッピングに出かけた)
*Deep-fry until both sides are a light golden brown.(NAVER英語辞書より)
(両面がこがね色になるまでよく揚げる)
may, could, mightとwell
ある事が起きる可能性、ある事が事実である可能性を表現する時に、may, could, mightという助動詞を使うことができます。
mayは、couldやmightより改まりの程度が高いが、意味はほとんど同じです。
それでは、例文を見て意味を確認してみましょう。
引用元の表記が無いものは、すべてLongmanの英英辞典から引用しています。
例)
*Some chemicals may cause environmental damage.
(環境破壊を引き起こすかもしれない化学物質もある)
*He might have missed the train.
(彼は、電車に乗れなかったかもしれない)
=>might have + 過去分詞になっているので、過去の事に対する可能性になります。
*If you’re not careful, you could get into even worse trouble.
(もしあなたが注意しないなら、さらに悪いトラブルに巻き込まる可能性があります)
=>evenは、比較級を強めるときに使います。
■強い可能性
may, could, mightの後ろにwellを付けると、かなり確率が高いことを示すことができるようになります。
例)
*Your job may well involve some travelling.
(あなたの仕事には、出張があるでしょう)
=>travellingは、主に英国の綴り(Weblioの説明より)
*The next pope could well be from Latin America.
(次のローマ法王は、ラテンアメリカからやってくるだろう)
(VOAニュース February 11, 2013 より)
http://www.voanews.com/content/next-pope-could-be-from-latin-america/1601135.html
*This might well be her last public performance.
(これは、彼女の最後の公演になるでしょう)
今日は、可能性という視点で助動詞を纏めてみました。